地球の構造は?
地球の内部構造を構成する主な物質について理解していきましょう。
地殻
- 主に珪酸塩鉱物(ケイ酸塩鉱物)からなる
- 主な鉱物としては、ケイ酸塩鉱物のほかに、長石、石英、雲母などがある
- 地殻の平均組成は、酸素>ケイ素>アルミニウム>鉄>カルシウム>マグネシウム>ナトリウム>カリウムの順となっている
上部マントル
- 主にかんらん岩(マグネシウムとケイ素を主成分とする珪酸塩鉱物)からなる
- 上部マントルは地殻よりも高密度で、固体の状態を保っている
下部マントル
- 上部マントルよりも高密度で緻密な構造のかんらん岩からなる
- 下部マントルは上部マントルよりも高温高圧の環境にあるため、鉱物の結晶構造が変化している
外核
- 主に液体の鉄とニッケルからなる
- 外核は地球内部で最も高温の領域で、約5000-6000℃の温度がある
- 外核の対流運動が地球磁場の発生に関与していると考えられている
内核
- 主に固体の鉄とニッケルからなる
- 内核は外核よりも高密度で、固体状態を保っている
- 温度は約6000度にも達して太陽表面の温度よりも高い非常に高温の領域です
つまり、地球の内部は主に珪酸塩鉱物、かんらん岩、そして鉄とニッケルの金属からなる層構造を成しており、深部ほど高温高圧の環境にあるため、物質の状態や結晶構造が変化していると理解されています。
どうやって今の地球になったのか?
地球は約46億年前に誕生しました。当初は高温のマグマに覆われた状態でしたが、2億年かけて冷却し、水が存在できるようになりました。
約38億年前、地球の海の中で最初の生命が誕生しました。これは単細胞の微生物で、光合成を行うバクテリアなどでした。その後、生物は徐々に進化し、約5億4000万年前のカンブリア紀には、現在の動物の基本的な体の構造を持つ生物が出現しまし。約4億年前になると、植物が海から陸上に進出し、その後昆虫や両生類も陸上に上がってきました。その後、恐竜やほ乳類が出現し、約500万年前には人類の祖先が登場しました。
地球は当初マグマに覆われた高温の状態から徐々に冷却し、水が存在できるようになりました。そして、その海の中で最初の生命が誕生し、長い時間をかけて多様な生物が進化・発展してきたのが地球の歴史です。
なぜ内核まで距離があるのか?
地球の内部構造について内核までの距離がある理由は、地球は形成当初、高温のマグマに覆われた状態でした。その後、徐々に冷却が進み地球内部で物質の分化が起こりました。地球内部の金属成分が重力によって沈降し、地球の中心部に集まって地球の核を形成しました。一方、軽い岩石成分は地表付近に集まって地殻を形成しました。このように、地球の内部構造は物質の密度差によって形成されたものです。密度の高い金属成分が中心部に集まり、核を形成しています。一方、地殻は密度の低い岩石成分で構成されており、核と地殻の間には中間的な密度の物質からなるマントルが存在しています。つまり、地球の内部構造は物質の密度差によって形成されたものであり、内核までの距離があるのは地球の形成過程で生じた物質の分化によるものです。
なぜ陸地と海で別れているのか?
陸地と海の面積の比率は地球表面の約71.1%が海洋、28.9%が陸地で海洋の面積は陸地の約2.5倍の広さがあり海洋と陸地の面積比は約7:3である。地球表面の大部分は海洋に覆われており、陸地の面積は海洋の約3割に過ぎないことがわかります。地球は「水の惑星」とも呼ばれるほど、海洋が広大な面積を占めているのが特徴です。
地球の表面が陸地と海洋に分かれている理由は地球の形成過程において、重力によって金属成分が地球の中心部に沈降し、核を形成しました。一方、軽い岩石成分は地表付近に集まって地殻を形成し、この地球内部の物質分化により密度の高い金属の核と密度の低い岩石の地殻が形成されました。地殻の一部は隆起して陸地となり他の部分は低地に沈降して海洋を形成しました。地球の表面が陸地と海洋に分かれているのは、地球形成時の物質分化によって生じた地殻の高低差に起因しています。高い場所が陸地、低い場所が海洋となったのです。地球の内部構造の分化が、表面の陸地と海洋の分布を決定づけたと理解できます。
なぜ地震がおきるのか?
地震が起きる理由は地球の表面にはいくつかの岩盤の板(プレート)で覆われています。これらのプレートは地球内部のマントル対流によって、わずかずつ動いています。プレートどうしが接する境界部分では、一方のプレートが他方のプレートの下に沈み込むことで、強い力が働きます。この力によってプレートにひずみがたまっていきます。ひずみが限界に達すると、プレートが急激にずれ動き、地震が発生します。つまり、地震は地下のプレートの「ずれ」によって引き起こされる現象なのです。このようにプレートの動きが地震の主な原因となっています。日本は複数のプレートに挟まれた場所にあるため、世界でも有数の地震多発地帯となっているのです。
地球の水分量は地震に影響するのか?
地球の水分量は地震の発生に大きな影響を与えることが分かっています。
地球内部の水分量と地震の関係
地球の内部には大量の水が存在し、特に下部マントルの一部では、他の鉱物に比べて10倍以上の水を保有していることが判明しています。この地球内部の水の流れやすさは、沈み込むプレートから放出される水の量やプレート境界付近での水の溜まり方に大きな影響を与えます。プレート境界付近に大量の水が存在すると、岩石の破壊に至る摩擦が下がり、ゆっくりとした地震(スロー地震)を引き起こす可能性があります。実際に、南海トラフのスロー地震の分布と、プレート内部の水の流れやすさの分布が関係していることが分かっています。
地表の水分量と地震の関係
地表の降雨が地下に浸透することで、震源域の間隙水圧がわずかに増加し、地震活動が活発化するという研究もあります。地球内部や地表の水分量の変化が、地震の発生に大きな影響を及ぼすことが明らかになってきているのです。
地球の水分量は一定なのか?
地球の水分量は一定ではありません。
地球の水分量の変化
地球上に存在する水の量は約14億km3と推定されており、その大部分は海水です。この水の量は一定ではなく、徐々に変化しています。具体的には、海の水が地球内部に吸い込まれていき、約6億年後には海の水がなくなる可能性があるとされています。この水は地球内部のマグマと一緒に地上に放出されるため、地球全体の水の量は変わらずに循環しています。
水の循環
地球上の水は、液体(水)、気体(水蒸気)、固体(氷)の3つの状態で循環しています。1年間で、雨や雪は陸地に約12万km3、海に約46万km3の新しい水が加わります。この水は太陽の熱で蒸発し、再び空へ帰っていき、また雨や雪として陸地や海に降り注ぐという循環を繰り返しています。
地球上の水の量は一定ではなく、徐々に変化しながら循環しているのが現状です。
地球内部の水分量が地上に循環することがある場合、どのような影響があるか?
地球内部の水分量が地上に循環することで影響があると考えられます。
地球内部の水分が地上に循環する影響
海洋プレートが地球のマントルに沈み込む際、大量の海水が一緒に引き込まれる。マントル内部では高温高圧の環境で、この海水と岩石が反応し、水を含んだ鉱物「含水鉱物」が生成される。この含水鉱物は、さらにマントルの深部まで運ばれていく。最新の研究により、深部でも水を保持し続ける新しい結晶構造の「水酸化鉄」が発見された。3この水酸化鉄に含まれた水は、やがてマグマと一緒に地上に噴出されることで、地球表面の水循環に組み込まれていく。3
地上への水分循環の影響
地球内部から放出された水が地上の水循環に加わることで、地表の水資源が持続的に供給される。地球温暖化などの影響で水循環が悪化している中、内部からの水供給は重要な役割を果たす可能性があり、水分量の変化が地震活動に影響を与える事も考えられ、注意が必要です。
地球内部の水分が地上に循環することで、持続可能な水資源の供給に寄与する一方で、地震リスクの増大など、複雑な影響が生じる可能性があるのです。
温暖化は地震に影響するのか?
地球温暖化は地震の発生に影響を与える可能性があることが分かっています。
地球温暖化と地震の関係
地球温暖化により冬季の気温が上昇し、寒暖の差が激しくなる傾向にある。この寒暖の差が激しくなると、地球のシステムが熱を冷やそうと振動(地震)を引き起こす可能性があり、地震は地球が熱を発生させる一つの方法であり、寒暖の差が大きいほど、より大きな地震が発生しやすくなります。実際に、近年は震度3や4の地震が当たり前となり、震度5レベルの地震も以前に比べて頻発するようになっている。
地球温暖化の影響
地球温暖化の影響により、ゲリラ豪雨などの水害も増加しています。地震と水害が複合的に発生することで、より深刻な被害が生じる可能性があり地球温暖化が進行することで、地震の発生リスクが高まる可能性があるのです。
今後地球の地震はどのようになっていくのか?
地球の地震は、地球内部のプレート(岩板)の動きによって発生します。今後もこのプレートの動きは続くため、地震が起こり続けることは避けられません。 しかし、地震発生の頻度や大きさを正確に予測するのは難しいのが現状です。これは、プレートの動きに影響する要因が複雑に絡み合っているためです。 例えば、プレート同士が固着している場所では、ゆっくりとエネルギーがたまり続け、いつか大きな地震を引き起こす可能性があります。一方、すべりが緩やかに進行している場所では、頻繁に小さな地震が発生するでしょう。 地球温暖化の影響で、一部の地域では地殻変動が起こり、地震の活動度が変わる可能性もあります。地域によって地震の発生パターンは異なるということです。科学者は、これらの複雑な要因を解明し続けながら、地震の予測精度を高めようと努力しています。 しかし一方で、私たち人間は地震に備えた対策を立てることが重要です。建物の耐震化、防災意識の向上、早期警報システムの整備など、地震に強い社会づくりが今後ますます求められるでしょう。そのためには自分自身が地震について理解し、起きたときの対処法、防災など再確認をしておくのが良いのではないでしょうか。
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